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Aquarium law

Aquarium law


参議院議員 徳永エリ(立憲民主・社民)
徳永エリ議員HP:2020.11.10
「水族館の機能の維持及び向上に関する法律案」ついて
超党派の議員立法、「水族館の機能の維持及び向上に関する法律案」ついて、法制局から説明を受けました。また、水族館関係者の方々から現状と法案の必要性についてご要請を頂き、質疑、意見交換をさせて頂きました。漁業者の高齢化や漁獲量の減少により我が国の漁業が衰退傾向にある今、国民の食料資源である水生生物を、水族館において教育的配慮のもと多種多彩に展示することで、豊かな自然環境の大切さを啓発し、日本独自の魚食文化を伝承することの重要性、また、イルカなどに対する動物愛護団体の水族館や動物園への非難、妨害活動が活発化していることからも、水族館の社会的役割を国が明示することの必要性についてご要望を頂きました。


江島潔議員 自由民主党水族館を応援する議員連盟事務局長

自由民主党水族館を応援する議員連盟(2018/7/11)
日頃よりお世話になりありがとうございます。
本日、多くの有志議員、水族館関係者、関係省庁の皆様方にご出席頂き、自由民主党水族館を応援する議員連盟(会長=二階俊博 自由民主党幹事長)設立総会が開催されました。江島潔議員は事務局長を務めることとなりました。
このような海、そして川に身近にふれあう場として、水族館が果たしている役割は大きいものがあります。我が国の水族館は、年間3000万人以上の利用者があり、国土面積当たりの数は世界一です。また世界的にも高い飼育技術を持っています。
次世代を担う子供たちが、興味を持ち、親しみを感じてくれることは、教育の観点からも嬉しいことです。また、全国各地の水族館は、地域の観光資源として多くの人を呼ぶ力を持っています。さらに、展示されているイルカや魚の多くを地元の漁業者から入手しています。
しかし、近年、反捕鯨や動物愛護の運動が、水族館でのイルカ飼育や水族館そのものが反自然的・反社会的だと批判してきています。和歌山のアドベンチャーワールドでイルカショーへの妨害があったことは、皆さんの記憶にも新しいことだと思いますが、このような宣伝活動は、近年では、パソコンやスマートフォンで簡単に社会に拡散されてしまいます。
イルカや魚の持続的な利用は、我が国の大原則です。そのためにも、水族館の活動を、議員、業界、行政が一丸となり水族館を応援し、盛り立てていくべく、江島潔議員も全力で取り組んで参ります。
日本は四方を海に囲まれ、豊かな水と森に恵まれ、海の恵み、山の恵みを利用し、その恵みに感謝してきた長い歴史と文化があります。

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我が国には水族館を応援する議員連盟があります。
その議連などの活動の中に水族館法を超党派で議員立法として成立させようという動きが見えてきました。
上記の国会議員等が公表しているコメントを読むと様々な疑問がわいてきます。

そもそも日本動物園水族館協会という長い歴史を持つ展示施設のまとめ役という存在があるのに何故水族館だけが別団体を設立し、さらには別途法律を作る必要があるのか、という点です。それは議員の方々の文面にも登場するイルカという動物に関わる問題が原因として考えられます。
日本動物園水族館協会は世界動物園水族館協会から「追い込み漁で捕獲されたイルカを会員施設が購入するべきではない」とした倫理規定に反しているという注意を受け世界協会から2015年4月21日に会員資格を停止されました。
世界動物園水族館協会ではこの動きに際してその根底にある理由を表明しています。

「全ての会員に対して残酷で極端な方法で自然に生息する動物を捕獲するやり方を禁じている協会の方針を守るよう求めている」という立場表明を4月22日に行っているのです。
世界協会は実は10年以上前から日本の施設のイルカの入手方法に対する苦言を発し続けていました。
ついに2015年に会員資格停止という最終手段に出たということになのです。
会員資格を失ってしまうと海外施設との希少動物のやり取りなどのネットワークへのアクセスがなくなってしまうことから加盟施設の投票を行い、結果としては世界協会の倫理規定に従い、協会に残ることを決めました。
同時にこれは世界の動物園業界の改革の流れにしっかりと日本の協会も乗ることができたと評価すべき動きでもあったのです。
しかし残念なことにこの動きに対して日本の協会に加盟をしていた水族館の中には大きな不満を感じる施設もあったようです。
結果として日本動物園水族館協会を脱退し個別に水族館のみの団体を立ち上げるという動きが出てきてしまったのです。
しかし問題はこのような業界の分裂ではありません。
前述したように今や世界的にも動物園業界の改革がかなり活発化し始めています。
イルカだけではなく施設飼育が非常に困難であるゾウやクマ類などの飼育方法の大幅な変革や展示の継続を断念する「一代限り宣言」等が世界各国の動物園で見受けられます。
コロナ禍の昨年11月にも同じアジア域内でパキスタンのイスラマバード動物園からカンボジアのサンクチュアリーにゾウが一頭送られました。
イスラマバード動物園の飼育環境が劣悪でありなんと同国の高等裁判所が閉鎖命令を出したということでした。
このような世界情勢の中で日本動物園水族館協会はここ数年の間に英国の専門家団体の講師を招聘し動物の適性飼育及び福祉に関する勉強会等を開催し自国の関係者教育に意欲を見せてきました。
当然前述したようにイルカに関しても飼育繁殖を基盤とした展示運営をするという立場を取っています。
そのような大きな展示の世界の流れの中でこのような議員による動きはまさに「浮世離れしている」としか言いようがありません。
「日本独自の魚食文化」とは一体何のことなのでしょう?
イルカの展示に対する「愛護団体」による非難、妨害とは一体どのようなことなのでしょうか?
またどうしてそのように非難されたりする、と議員の方々はお考えになったことがあるのでしょうか?
生物を水槽に入れて飼育することが水族館の「社会的役割」、「次世代を担う子どもたちの教育の観点からうれしいこと」なのでしょうか?
確かに日本は水族館大国です。
国土面積あたりの数が世界一であるのみならず、世界協会の忠告を受けた際には日本だけで約500頭のイルカが飼育・展示されていました。
世界的にはイルカやシャチなどの大型海洋哺乳類の展示数は改革の流れ上減少傾向にあり今や世界的にも2000頭ほどではないかと言われています。
わが小国にその四分の一がいる?
これを誇りとするか、それとも、、、、、、、
水族館側は「日本人はイルカが好き。だから展示は絶対に必要!!」と決めつけています。
日本人の皆さん、本当にそうですか?
日本人が見たいというからイルカなどの展示やショーをやめられないのだ、という人々の言葉に日本人として皆様はどうのように反応しますか?
また魚食文化という言葉ですがイルカは魚ではありません。
昔から日本人はその様に定義してきた、、、というのであれば日本人が正しい情報、知識を今は持つ必要があるのではないでしょうか?
哺乳類であるから食べてはだめ、と言っているのではありません。
欧米ではブタや牛を食べているから同じという議論も正しくはありません。
全く的外れです。
何故なら牛などの食肉用の家畜の屠畜には厳密なルールがあります。
殺す前にスタニング(意識を失わせる)をする等々人道的屠畜方法は我が国を含め多くの地域で法制化されています。
英国などではそのようなルールが厳密に守られるように今や全国の屠畜場に監視カメラを付けるようにしています。
牛や豚と同じに考えるのであればイルカの人道的屠畜方法を専門家を交えて検討するべきでしょう。
さてさて、水族館法の内容はどのようなものになるのか、どこのお役所の管轄になるのか、皆さん傍観するだけでよいのですか?

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日経新聞の記事

日経新聞の記事 2024年7月27日の日経朝刊の「医療・介護・健康」という紙面で動物介在療法などに関する大きな記事が掲載されていた。 そのタイトルが【「アニマルセラピー」に光明】であったがここですでに用語の間違いを指摘しなければならない。 アニマルセラピーという言葉はメディアなどがしばしば用いている言葉であるがこれは極めて不正確な表現である。 すでに国際学会などで取り上げられて30年以上になるが正確な表記はアニマル・アシステッド・セラピーとアニマル・アシステッド・アクティビティである。 前者の日本語訳は動物介在療法、そして後者が動物介在活動と訳されておりすでに何年もの間我が国においてもこの言葉が用いられている。 アニマルセラピーとはその両者をごちゃまぜにしたいわゆる一般社会、ひいてはメディアなどが「乱用」してきた表現である。 その意味は「動物は人を癒してくれる、気持ちを穏やかにさせてくれる、安心感を与えてくれる」等々非常にファジーなものとしてとらえられているのである。 日経の記事に話を戻すと「セラピー犬とファシリティドッグの違い」という表まで記載されているがこれもまた不正確極まりない。 参加させる犬がどのような名称で呼ばれていてもその犬がハンドラー(犬を連れていく人間)と現場においてどのようなことをするかによってそれが医療の一環、治療、であったりレクリエーション、すなわち「慰問」的なものであったりするのである。 日経の表によると「セラピー犬」は教育やレクリエーションを行う犬であり、ファシリティドッグは治療に参加する犬である、となっているがこれは明らかな間違いである。 さらに表によると活動場所もセラピー犬は高齢者施設などでファシリティドッグは医療機関となっている。 さらには「付き添い」と表記されているハンドラーは、セラピー犬はボランティアでありファシリティドッグは看護師などと書いてある。犬の育成に関しては、セラピー犬は「家庭でのしつけ」そしてファシリティドッグは「専門的な訓練」となっているのである。 どれも現場を知らない者たちの勘違いとしか言いようがない。そもそも動物介在療法と動物介在活動は犬の種類で分けるのではなく現場でどのようなことをするかによって分けられているのである。 動物介在療法とは特定の患者(訪問対象者)の治療の一環としてその患者の診断、治療目標等々が医療...